研修・人材育成に関する助成金について

人材育成を行う為の研修に助成金が受けられる制度が用意されています。 この助成金は、研修を受けようとする事業者が事前に人材育成計画を立て、管轄の労働局と確認を行いながら研修を実施した場合に受けられるものとなっています。

給付条件を満たし、手続きに問題がなければ給付を受けられる可能性の高いものとなっていますので、社員への研修でDXをより効率的に実施したい、リスキリング研修が必要と考えておられる会社にとっては一助になるものと思われます。

人材育成研修は、従業員のキャリア形成のみならず、企業の更なる成長に欠かせないものです。助成金を活用することで、より積極的な検討ができる機会と捉えましょう。

助成金の申請手続きについて

助成金の申請手続きは研修を受ける事業者が申請を行います。貴組織の顧問社労士などが居られる場合は、ご相談頂くとスムーズにすすむと思われます。
大まかな流れは以下の様になります。

  1. 1.検討している教育プログラムが申請対象となるかを確認  職業開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画を策定し、対象の訓練コースや助成金額を管轄労働局などの受付機関に確認
  2. 2.教育プログラムの詳細を確定  対象者、研修カリキュラム、日程などを決定
  3. 3.計画書を作成・提出する  募集要項に定められた期日までに、必要書類を受付機関に提出
  4. 4.研修を受講(実施)する  【注意点】計画内容が変更になる場合は、事前に変更届を提出
  5. 5.助成金の申請書を提出する  募集要項に定められた期日までに、必要書類を受付機関に提出

助成金・補助金が活用できるかどうかをはじめ、各種申請書の作成・提出にあたっては、受付機関の申請・手続き要綱を(下記リンク等)を必ずご確認ください。

人材開発支援助成金

お問合せ先

概要

厚生労働省の制度(7つのコース)で、様々な分類で助成を受けられます。 事業主等が従業員に対し業務に関連した研修を行う場合に、経費・賃金等の一部が補助されます。

  • ①人材育成支援コース
    10時間以上の訓練や、OJTとOFF-JTを組み合わせた訓練、有期契約労働者等を対象に人材育成に取り組んだ場合に支給される助成コース
  • ②教育訓練休暇等付与コース
    有給教育訓練等制度を導入し、労働者が当該休暇を取得し、訓練を受けた場合に支給される助成コース
  • ③人への投資促進コース
    デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に支給される助成コース
  • ④事業展開等リスキリング支援コース
    新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に支給される助成コース
  • ⑤建設労働者認定訓練コース
    認定訓練を行った中小建設事業主に対して支給される助成コース
  • ⑥建設労働者技能実習コース
    雇用する建設労働者に有給で技能実習を受講させた建設事業主に対して支給される助成コース
  • ⑦障害者職業能力開発コース
    障がいのある方に対して職業能力開発訓練事業を実施する場合に支給される助成コース

助成金の詳細(①:人材育成支援コース)

人材育成支援コース ()内は中小企業以外の助成額・助成率
支給対象となる訓練 経費助成 貸金助成
(1人1時間あたり)
OJT実施助成
生産性用件を満たす場合 生産性用件を満たす場合 生産性用件を満たす場合
人材育成訓練 有期契約労働者等を除く雇用保険被保険者 Off-JT 45%
(30%)
60%
(45%)
760円
(380円)
960円
(480円)
- -
有期契約労働者等の場合 Off-JT 60% 75% - -
有期契約労働者等を正規雇用労働者等へ転換した場合 Off-JT 70% 100% - -
認定実習併用職業試練 Off-JT+OJT 45%
(30%)
60%
(45%)
20万円
(11万円)
25万円
(14万円)
有期契約労働者 有期契約労働者の場合 Off-JT+OJT 60% 75% 10万円
(9万円)
13万円
(12万円)
有期契約労働者等を正規雇用労働者等へ転換した場合 Off-JT+OJT 70% 100% - -

助成金の詳細(③:人への投資促進コース)

人への投資促進コース ()内は中小企業以外の助成額・助成率
支給対象となる訓練・資格試験 経費助成 貸金助成
(1人1時間あたり)
OJT実施助成
生産性用件を満たす場合 生産性用件を満たす場合 生産性用件を満たす場合
高度デジタル人材訓練 ITSSレベル3,4以上 75%
(60%)
960円
(480円)
- -
成長分野等人材訓練 海外も含む大学院での訓練 75% 960円(国内大学院) - -
情報技術分野認定実習併用職業訓練 Off-JT+OJT(IT分野関連) 60%
(45%)
75%
(60%)
760円
(380円)
960円
(480円)
20万円
(11万円)
25万円
(14万円)
長期教育訓練休暇等制度 連続休暇30日以上 20万円 24万円 6,000円/日 7,200円/日 - -
所定労働時間の短縮など 20万円 24万円 - - - -
自発的職業能力開発訓練 Off-JT 30% 45% - - - -
定額制訓練 Off-JT 45%
(30%)
60%
(45%)
- - - -

その他:eラーニングと通信制による訓練にも

  • ・実際の訓練時間ではなく、受講案内等に記載の「標準学習時間」や「標準学習期間」で判断されます
  • ・訓練機関が発行する「受講修了を証明する修了証等の書類」や「LMSデータ」等の書類で確認があります
    ラーニング・ツリー・インターナショナルでもe-learningのコースを提供しております。

【申請書類ダウンロード】

※雇用関係助成金ポータルでの電子申請も可能になっています。
 詳しくはこちら→雇用関係助成金の電子申請

社内型スキルアップ助成金・民間派遣型スキルアップ助成金(中小企業人材スキルアップ支援事業)

お問合せ先

概要

東京都の制度で、東京都内の中小企業が対象。3時間以上20時間未満(教育機関派遣訓練の場合)の訓練に対し、助成を受けることができます。 東京都内の中小企業等が従業員に対し、短時間の教育や研修を行う場合に、研修費、受講料の一部を助成する制度です。

詳細

助成対象となる訓練の要件

  • ・受講者の職務に必要となる専門的な技能・知識の習得・向上又は専門的な資格の取得を目的とすること
  • ・集合して行われ、通常の業務と区別できるOFF-JTの訓練であること
  • ・交付決定日から令和6年3月31日までの間に訓練を開始し、令和6年8月31日までに終了する訓練であること
  • ・コースごとに、以下の要件を満たすこと
社内型スキルアップ助成金 民間派遣型スキルアップ助成金
申請者 中小企業・団体 中小企業
訓練時間 3時間以上12時間未満 3時間以上20時間未満
訓練場所 東京都内
修了者数 2名以上 1名以上
訓練の実施方法 集合型訓練
および同時かつ双方向のオンライン訓練
集合型訓練

※民間派遣型スキルアップ助成金で、「定額制」の講座(一定期間の料金が定められており、期間内に複数の講座が受講できるものや、複数人の受講が可能なもの)は助成対象外です

支給額

≪社内型スキルアップ助成金≫
 助成対象受講者数×訓練時間数×730円(団体の場合、訓練に要した経費-収入の額を上限)
≪民間派遣型スキルアップ助成金≫
 助成対象受講者1人1コースあたり受講料等(税抜き)の2分の1(25,000円を上限)
※非正規雇用労働者が全体の受講者の2割以上参加した場合は受講料などの3分の2。
※予算の範囲を超えた場合は、一定の割合で減額されることがあります。
※助成金額には上限があり、対象となる期間内で社内型と民間派遣型を合計して1事業所あたり100万円、一人あたりの訓練時間は100時間です。

【申請書類ダウンロード】

キャリアアップ助成金

お問合せ先

概要

厚生労働省の制度(6つのコース)です。事業主が非正規雇用の労働者に対して、キャリアアップを促進するための取組を行った場合に助成する制度です。

  • ①正社員化コース
    有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換等した場合に助成
  • ②障害者正社員化コース
    障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換した場合に助成
  • ③賃金規定等改訂コース
    有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を増額改定し、適用した場合に助成
  • ④賃金規定等共通化コース
    有期雇用労働者等と正社員との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に助成
  • ⑤賞与・退職金制度導入コース
    有期雇用労働者等に賞与・退職金制度を新たに規定し、適用または積立てを実施した場合に助成
  • ⑥短時間労働者労働時間延長コース
    有期雇用労働者等の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成

【申請書類ダウンロード】

Q&A

Q
1.どの研修が助成金の対象ですか?
A
各種助成金によって求められる研修・人材教育の要件が異なりますので、弊社では受給対象範囲となるかどうかの判断を下すことが出来かねます。支給要件を申請機関にご照会ください。
Q
2.内容をカスタマイズした研修でも助成金の対象になりますか?
A
集合研修ではカスタマイズ可能です、カスタマイズ自体が受給対象範囲に影響を及ぼすことは少ないと思いますが、要望をお問い合わせください。助成金の対象になるかは、上記Q1と同様の回答になります。
Q
3.助成金が給付されない場合もありますか?
A
事前に申請受付機関に助成金の確認をとったうえで、給付要件に合った申請に不備がなければ受給の可能性は高いです。申請要件と異なる研修を行ったりした場合や、管轄局の都合(予算)の影響を受けるなどの場合は、給付されない可能性はあり得るとご認識下さい。
Q
4.申請資料の内容や、提出期限はありますか?
A
申請書類は各管轄局の案内をご確認下さい。各種書類に提出期限が定められています。また、申請書類に当社が発行する受講証明書が必要な場合もありますので、必要に応じてお問合せください。