テックファーム株式会社
開発本部1 本部長 鈴木博史様
テックファーム株式会社
目次
1998年1月、テックファーム株式会社(現・テックファームホールディングス)は主たる事業目的をインターネット関連のソフトウェア開発及びコンサルティングとし、SIerとしてスタートしました。以来25年以上に渡り、お客様とともに世界や業界に先駆けるプロジェクトを実⾏し、新しい挑戦をテクノロジーで実現・支援し続けています。
多種多様な開発実績を有する同社では、 「企画」「開発」「運⽤」の専⾨家が次代の最新技術やトレンドを駆使し、すべての領域で「挑戦しやすい」と感じていただける柔軟性を兼ね備えた提案・解決を創り出しています。 お客様のビジネス成長の加速に寄与するため、「作りかた」だけではなく「使われかた」「続けかた」まで⼿掛けるワンストップ環境を提供しています。
同社の開発体制は3つにわかれた開発本部が担っています。開発本部1では、コンシューマー向けかつ大規模案件、業務系システム開発、大規模なモバイル系の開発を行っています。開発本部2は事業特化型の開発を主体にコマース系、ロジスティック系、エンタメ系などのお客様の開発に対応しています。併せて全社にまたがる運用保守部門も開発本部2で担っています。開発本部3はお客様特化型の開発をしており、大手メディアサイトの開発を専任で行っています。
「私が本部長を勤める開発本部1のミッションは、大規模案件を主体的に受けていくことにあります。そしてお客様からのご要望が高まっているスクラムに関しても柔軟に取り組み、組織としての特色として打ち出していけるよう努力しています」(鈴木氏)
×閉じる「スクラムで開発したいという要望が寄せられています」と開発本部1 本部長 鈴木 博史氏
開発本部1がスクラムを同部の特徴として打ち出そうという背景には、お客様からの要望だけでなく、企業として各部の特徴づけに取り組んでいこうという方向性もありました。
「開発本部2は先端技術への特化を打ち出しました。開発本部1はコンシューマー系の案件が多く、これまでもウォーターフォール型の案件がかなりありました。ただ以前のように、かっちりと決ったものを作るのが、非常に難しくなっています。当然のようにお客様からの要求がどんどん増えますし、変化するのが当り前になりつつあるためです。お客様からはアジャイル開発、スクラム開発をしたいというご要望をいただくことが増えています」(鈴木氏)
とはいえアジャイル、スクラムに関して、お客様側にプロダクトオーナーやアジャイル、スクラムへの理解者が決して多くないのが現状です。特に同本部はシステム部門よりも、お客様のユーザー部門と仕事をする機会が多い傾向にあります。すると、ビジネスへの知見、経験は豊富であるけれどもITには詳しくない担当者様が多く、体系的にアジャイル開発手法をわかっていないままで取り組もうとすることもあるため、なんちゃってアジャイルと呼ばれるプロジェクトが生まれやすい状況でもありました。 そんな中、アジャイル開発、スクラム開発にきちんと取り組める組織にすれば、お客様の要望にも応えていけることから、スクラムを同本部の強みにする取り組みが始まりました。
「私が本部長になって今3年目ですが、1年目は大規模案件というミッションを掲げ、2年目でスクラムに関するKPIを追加しました。そしてまずは、スクラムついて学ぶことから始めようと考えました」(鈴木氏)
×閉じるアジャイル開発について組織として学ぶことを決めた同本部では、アジャイル研修を導入すべく研修会社の調査を始めた。
「シンプルに、Webを検索して、比較検討していきました。アジャイル研修を行っている研修会社はあまり多くなく、大手研修会社の場合、やっていてもコースが少なく、基礎研修だけの印象でした。基礎研修だけ受けても意味がないので、次につながるコースを持っている研修会社を軸に探して、見つけたのがラーニング・ツリーでした」(鈴木氏)。
こうして複数の研修会社の提供内容を比較検討して、同本部ではラーニング・ツリーにアジャイル研修を依頼することになりました。その決め手は次の通りです。
1. 体系的に学べるコース設定
→基礎から応用まで、次にどの研修を受ければステップアップできるのかがイメージしやすいコース設定で、わかりやすく表現されており、体系だって学べることを評価しました。
2. 研修のカスタマイズに柔軟な対応
→比較した他の研修会社の場合、研修コース・内容がかっちりと決っており、当部に合せてのカスタマイズがしにくい場合がほとんどでした。ラーニング・ツリーはきちんと相談に乗ってくれることはもちろん、こちらの意図を汲み取り、柔軟に研修内容をカスタマイズしてくれます。導入の決め手として一番大きかったのは、柔軟にカスタマイズに対応してくれることです。 そういったことから、一緒に研修を進めていく上では、ラーニング・ツリーが一番やりやすいのではないかと考えたのです。
3. 対面での研修を実施
→コロナ禍があった影響もあり、比較した他社ではオンラインでの研修が中心でしたが、ラーニング・ツリーは対面での研修を実施してくれました。研修は単に知識を習得するだけの場ではなく、社内のメンバーと交流できる場でもあります。特にコロナ禍以降に入社したメンバーは、社内のメンバーにオフラインで会う機会が少なかったこともあり、そうした面でもいい機会になると考えました。
「知っている人と知らない人がいるのはよくないと考え、全員が受講しました」と開発本部1 本部長 鈴木 博史氏
ラーニング・ツリーのアジャイル研修を導入した同本部ではまず2024年3月~4月に入門基礎の「はじめてのスクラム」、実践の「アジャイルテスト駆動開発と自動化~マシン演習付~」の研修を実施しました。
「前期(同社は6月決算)はスタートしたばかりで多くの予算を組まなかったこともあり、対象者はなんらかのアジャイル開発の経験がある人、今後アジャイル開発でメンバーを引っ張っていくであろう人に優先的に受講してもらいました。実際に受講し、受講内容などのフィードバックを受けたところ、非常に効果がある研修だということがわかりました。 そこで、今期はしっかりと予算を組んで、開発本部1のメンバー全員がアジャイル研修を受講することにしました。経験者だけアジャイルを知っている状況ではあまり意味がありません。部門の特徴とするからには、開発本部1にいる人は最低限アジャイル・スクラム開発について理解しておく必要があると考えたのです」(鈴木)
同本部では2024年3月~4月の研修に続き、8月~9月にかけて入門基礎の「はじめてのスクラム」に関してはメンバー全員が受講しました。実践の「アジャイルテスト駆動開発と自動化~マシン演習付~」に関しては、3月~4月の研修を振り返り、知識は得たものの実践に達するまでの経験が足りなかったという課題を解決するために、完全カスタマイズ研修として、経験を積むための実践を加えた内容で実施しました。 さらに管理職向け研修として、部下がスクラムを理解しているのに、上司が理解していないと、フォローアップすることが難しいため、管理職、実際にはリーダー職以上の全員が受講しました。この管理職向け研修も完全オリジナルのカスタマイズ研修として実施しました。
「管理職向けの研修は、事前に受講する管理職20名から、講師にこういうことを聞きたい、こういうことがわからない、という質問を挙げてもらいました。講師はその質問に対してアドバイス、フィードバックするかたちで研修を実施しました。知識を得るだけでなく、参加者の疑問を解決することで受講者の基礎を作る、完全オリジナルの研修です。 社内の1on1で得たフィードバックや受講者のアンケート、ラーニング・ツリーの講師からフィードバックなどを総合的に判断して、当社にとって必要なアジャイル研修、つまり完全カスタマイズした研修を提供してもらえたことは、高く評価しています」(鈴木氏)
×閉じる開発本部1の全員がアジャイル研修を受講し、メンバー全員がスクラムに対する知識を持つことにより、さまざまな変化が現れているようです。例えばウォーターフォール型の開発においても、スクラムから採り入れられることは多々あります。ウォーターフォール型の場合、振り返りはプロジェクトが終わってからがほとんどです。それを途中で振り返りを採り入れて、振り返りの回数を増やしたり、レトロスペクティブのやり方をチャレンジしてみたり、テストコードをしっかり書いて自動化することに取り組んでいるメンバーがいたりと、メンバーはさまざまな取り組みを開始しています。
「ラーニング・ツリーのアジャイル研修を受講したことで、さまざまな効果が現れつつあります。実際にはまだ完全なスクラムでの開発は行っていませんが、依頼があれば十分に対応できる体制が整ったと判断しています。一方で課題も見えてきました。研修の際、講師の話にも出てきましたが、スクラムを理解できたとしても、スクラム開発を成功のカギは、エンジニアのスキルである、ということです。スクラム研修を重ねてみて、結果的にエンジニアのスキルを上げていくことを優先的にやらないと、本当の意味でのスクラムは成立しないことが見えてきました。 そこで、下期に関しては、エンジニアのスキルアップ、育成についても取り組んでいく必要を感じて、ラーニング・ツリーに相談しています。」(鈴木氏)
同本部ではスクラムマスターやプロダクトオーナーといった資格の取得により、アジャイル開発、スクラム開発でのプロジェクトを引っ張っていける立ち位置のメンバーの育成を進めています。ただそれだけでは実践経験を積むことができないため、スクラム開発の社内プロジェクトを立ち上げました。そこで実践経験を積むとともに、スクラムマスターやプロダクトオーナーの役割をも経験し、組織としてのスクラムへの取り組みをさらに強化していこうというものです。
「ラーニング・ツリーには、アジャイル開発、スクラム開発だけでなくエンジニアやPMの育成についても相談をしています。当社がアジャイル開発も含め、総合的に強くなり、お客様のためになれる体制を築いていくためのご提案とサポートに期待しています」(鈴木)
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テックファーム株式会社様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました
※ 取材日時:2024年10月 ※掲載情報(所属・役職など)は取材時点の情報です
※ 取材制作:カスタマワイズ
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