株式会社アグレックス
常務執行役員 デジタルトランスフォーメーション事業本部長 ビジネスイノベーション事業本部長
棟方 猛夫氏(写真右)
デジタルトランスフォーメーション事業本部 DXビジネス推進部長 仲田 朋宏氏(写真左)
デジタルトランスフォーメーション事業本部 DXビジネス推進部 木庭 幹氏(写真中)
株式会社アグレックス
目次
株式会社アグレックスの事業の司令塔の役割を担う
中核拠点「Biz TRUXIA」
1965年設立の株式会社アグレックスは、お客様の業務を一括受託するビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)、パッケージソフトで課題解決を支援するソフトウェアソリューション(SS)、システム構築から運用までを一貫して対応するシステムインテグレーション(SI)の3つを柱に事業を展開し、これらを効果的に組み合わせることで、お客様の業務プロセスの最適化を支援してきました。 今日ではTISインテックグループの一員としてBPOを中核とした独自の地位を確立しています。
金融業界を中心に多様な業種に展開しているBPO事業では、従来は紙媒体で運用していたオペレーションのデジタル化を推進しており、進化を続けています。BPOの過程では多くのデータが生み出されており、そのデータの利活用方法を提案することで新たなビジネスにつなげていく試みをしています。
また、昨今の急激なビジネス環境の変化に適応し、競争力を維持・強化していくためには、業種・業界問わずデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が急務となっており、あわせて業務プロセスそのものを見直す時がきています。お客様のDX化を支援するツールの提供や、お客様のワークスタイルを変えるサービスの提供などを進めています。
「大きく変革している社会構造の変化を受け、2020年度より長期10年を見越した『アグレックスビジョン2030』を策定し、事業推進しています。ダイナミックに変化するお客様に対して、私たちもフィッタブルに事業を展開し、ビジネスパートナーとしての認知を高めていきたいと考えています。」(棟方氏)
×閉じる「資産である人を育てていくことが大切だと考えました」と常務執行役員 棟方 猛夫氏
デジタルトランスフォーメーション事業本部(以下、DX事業本部)では2年前より教育に力を入れる方針を打ち出しています。『アグレックスビジョン2030』をもとに3年の中期経営計画を立てて推進する中で、まずは知識をきちんとつけていく段階と捉えています。
「弊社はBPOで成長してきましたので、お客様の業務自体にはとても詳しいと自負しています。通常であれば、仕事の上流化、あるいは特化という方向に進むのでしょうが、弊社は一般的なビジネスの体系、ビジネスの流れを習得しておくべきだと考えました。より上位のパートナーシップをめざし、常にレベルアップしていくためには、基本となるBABOK、PMBOK(※)などをきちんと学び直す必要があると考えたのです。この事業本部としての教育研修が必要という方針は、(常務の)棟方がDX事業本部長に着任した2年前に打ち出されました。」(仲田氏)
アグレックスには人事部門が行う社内研修や部門ごとのOJTなど、社員が学ぶ機会は数多く用意されています。それに加えて、さらに学ぶ機会を増やした背景には、普遍的なスタンダードと照らし合せて知識を習得することで、お客様ごとの差異を考慮し、あるべき姿を考えていくベースにしたいという思いがありました。
「弊社のメインであるBPOの事業構造の改革も必要だと考えました。自分たちで事業を考えられる人間がいないといけないわけです。しかし弊社ではその人間の数が少ない。このままだと事業がダメになりかねない。弊社にとって資産は人です。この人を育てていく、そのためには普遍的な知識を身につけることが必要になります。」(棟方氏)
「普遍的な知識ということから、私たちが着目したのはBABOKでした。」(仲田氏)
(※)
BABOK:「A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge」の略称。BABOKガイドは、International Institute of Business Analysis(IIBA)が発行しているビジネス・アナリシスの知識を体系化したものである。
PMBOK:「A Guide to the Project Management Body of Knowledge」の略称。PMBOKガイドは、プロジェクトマネジメント協会 (PMI) が発行しているプロジェクトマネジメントの知識を体系化したものである。
「上位研修も含めたスキルアップのロードマップが整理されていました。」とDXビジネス推進部長 仲田 朋宏氏
2年前から教育研修に力を入れているDX事業本部では、事業本部で企画した複数の教育研修をすでに実施しています。そんな中で新たに取り組むビジネスアナリシス研修の導入はどのように行われたのでしょうか。
「ビジネスアナリシス研修について調べたところ、提供してくれる教育ベンターがラーニング・ツリーを含む4社ほど見つかりました。各社と2~3セッションの打ち合わせを行い、ご提案をいただき、最終的には3社の提案を比較検討しました。
その中で依頼先をラーニング・ツリーに決めたのは次の理由からです。
1. 体系的にBABOK、PMBOKの研修を提供している。
→体系的にご提案いただいたのは、ラーニング・ツリーだけでした。私たちが研修を受けてもらいたい社員はエントリークラスだけでなく、ミドルレイヤー、トップレイヤーもいます。受講した社員は次のステップに進みたいと考えますので、体系的に提供いただくことが必要です。上位研修も含めたスキルアップのロードマップが整理されていたことが、ラーニング・ツリーに依頼した大きな理由です。
2. グローバルかつBABOK、PMBOKに特化した展開をしている。
→グローバルに展開している研修が充実しており、研修コースのバリエーションが体系的に準備されています。こちらからの質問に対しても、体系的に説明してもらえました。他社は提供メニューは多くても、説明しきれていないな、と感じる部分もありました。
3. リモートでの研修に対応している。
→弊社では2020年2月頃より勤務体制をリモートに切り換えています。そこで研修コンテンツはもちろん大事ですが、コロナ禍ということから、リモート環境で研修を実施できるのか、環境面や運営面の対応が可能かを判断しました。」(仲田氏)
「受講後、積極的に次のステップを考える社員が大勢います。」とDXビジネス推進部 木庭 幹氏
ビジネスアナリシス研修の導入を決めたアグレックスは、単発の研修ではなくミドルレイヤー、トップレイヤー向けの研修も含んだ体系的な研修パッケージとして、ラーニング・ツリーのビジネスアナリシス研修の実施を決めました。
では研修を受講するのはどんな社員になるのでしょうか。
「私たちからDX事業本部内の各部署に対して、研修内容を説明したうえで、何人出してくださいというかたちで依頼しました。基本的には各部門1~2名で、今後、PLやPMに推挙するであろう中核社員ですね。中堅以上の社員で社歴は10年程度、30代前半が想定したターゲットです。
私たちは人事部門ではありませんので、受講者の指名は行いません。各部門長や部門の教育担当がセットアップしてある教育計画に則って推薦します。」(仲田氏)
すでに数回のビジネスアナリシス研修が実施されているが、実際に受講した社員の方の反応はどのようなものだろうか。
「私たちも研修には同席させてもらいました。受講者の声を聞くと、非常に好評です。以下に主な声をご紹介します。
このように、受講後はより積極的に次のステップを考えたいという社員が大勢います。」(木庭氏)
×閉じるアグレックスでのビジネスアナリシス研修は、5月に実施されたビジネスアナリシス概論に続き、5研修11コースが2022年3月までに予定されています。まだ研修自体は始まったばかりですが、その効果についてはどのように捉えているのでしょうか。
「始めたばかりですので、実務的なフィードバックが得られるのはまだこれからだと思います。今後、社内のポータルサイトでは『新しくこういう研修を導入した』という紹介をしますので、認知度が上がり、受講者が増えるにつれて、お客様のビジネスパートナーというめざすところに近づいていければと考えています。
今回の研修自体は社内のニーズがあってというよりは、先を見越して資産である人を育てていくという先行投資の部分が大きいことも事実です。そういう意味では短期的な成果はあまりないかもしれません。ただ、ビジネスアナリシスが共通言語になっていく、いままで技法として使っていたものが、きちんとしたツールとして使えるようになることは重要だと考えています。」(仲田氏)
講師の対応や研修内容についてはどのような評価なのでしょうか。
「講師の方とは事前に打ち合せもさせていただきました。その際、研修を受け、試験に合格することにより、グローバルなビジネスアナリストとして認定されることを伝えてほしいとお願いしました。実際、BABOKやPMBOKの認定研修は自費で受けに行く方も大勢います。それを会社が提供した研修で認定がもらえる。認定は個人につきますから、受講者には大きなメリットがあると思います。
オンラインでの2日間の研修は、講師の方の経験に基づいた事例を紹介していただくなど、標準版のカリキュラムに当社向けにプラスの内容を含んだもので、とてもよかったと思います。ただ、少しスローペースかなと最初は感じましたが、2日間丸々の研修ですから、短いブレイクを挟んでいくやり方は、それもありかなと思いました。」(仲田氏)
×閉じる今後、5研修11コースを展開していく予定ですが、その後についてはどのようにお考えで、どのように期待しているのでしょうか。
「研修効果という意味では、5研修11コースが終了するころには、具体的な数値で表せるものが出てくるのではないかと期待しています。
受講をしてほしい中核社員だけでも、仮に全員に受けてもらおうとしたら3年はかかります。ある種の先行投資ですが、認知度が高まり、受講者が増えることが社員の刺激になり、日頃自分の仕事として使っていくツールとして、自発的に受講したいという社員が増えることを期待しています。」(棟方氏)
「受講する社員の能力は高いのですが、比較的おとなしい社員が多いと感じています。彼らを刺激してアクティブにして欲しいので、例えばどんどん指名して発言を促し、指名されるくらいなら自分から発言しよう、と変わっていけるように導いて欲しいですね。やさしいだけでなく、厳しい面が出てきてもよいのかもしれません。」(仲田氏)
「他の事業本部でもラーニング・ツリーの研修を導入し始めています。DX事業本部だけでなく、アグレックスの研修パートナーとして、今後も幅広く体系的な提案に期待しています。」(木庭氏)
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株式会社アグレックス様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました
※取材日時:2021年7月 ※掲載情報(所属・役職など)は取材時点の情報です
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