2021.11.15  【責任編集】ラーニング・ツリープロジェクトマネジメントにおけるツールの種類、選び方

ソフトウェア開発に限らず、あらゆる業界・業種で欠かせないのがプロジェクトマネジメントです。今回ご紹介するのは、そんなプロジェクトマネジメントツールの種類と選び方です。種類は「フレームワーク」と「ソフトウェア」に分けてご紹介します。本記事を読みながら「なるほどこんなツールがあったのか」と新しい発見をしていただけたら幸いです。

プロジェクトマネジメントツール【フレームワーク】7選

それでは、フレームワークとしてのプロジェクトマネジメントツールからご紹介します。

1.プロジェクト計画書

プロジェクトの全体像を説明するための基本的な計画書になります。記載すべき項目は以下のようなものです。

<プロジェクト計画書に記載する項目>

  • ゴール
  • 目的
  • スコープ
  • 成果物
  • コスト
  • スケジュール
  • 推進体制
  • 各人の役割
  • 品質基準
  • 情報共有方法
  • リスクと対策

基本的な計画書ですが、プロジェクトの概要を掴むために大切です。

2.ガントチャート

縦軸にタスクを、横軸にスケジュールと進捗を記載したスケジュール管理のためのツールです。

出典:ガントチャートって何ですか? ITmedia @IT

プロジェクト全体の進捗から細かいタスクに落とし込んだ進捗をいくつか作成すると、プロジェクト全体の流れを直感的に理解できます。

3.プロジェクト別採算表

プロジェクトごとの採算を確認するためのツールです。プロジェクト別原価表、プロジェクト別損益表とも呼びます。

言わずもがな、プロジェクトとは収益を出して会社の利益を確保するためのビジネスです。採算が合わない状況に陥っていれば即座に軌道修正する必要があります。プロジェクト別採算表があるとプロジェクトが遅延した際なども、どれくらいの追加人員を投入すれば採算が取れるかなどを確認するのに活用されます。

4.プロジェクト週次報告書

プロジェクトマネジメントでは、マネージャーが部下から定期的な報告を受けてプロジェクトの進捗や採算を把握する必要があります。そのために活用するのがプロジェクト週次報告書です。

必ずしも週次である必要はありません。企業によっては「3日に1度」や「5日に1度」の頻度で報告書を作成してもらいます。ただし1週間以上に1度の場合はプロジェクトマネジメントが後手に回ってしまうので、1週間以内を目安に報告書の提出を求めましょう。

5.課題・リスク・障害課題表

まず、それぞれの言葉の意味を整理します。

  • 課題:プロジェクトを推進するにあたり解決すべき問題
  • リスク:将来的に発生する可能性のある、プロジェクトのマイナス要因
  • 障害:プロジェクトを推進するにあたり障害となる事象(問題)

課題・リスク・障害課題表ではそれぞれに要素を整理し、表としてまとめたものです。障害を解決すべきために課題があり、障害によってリスクが生じることもあるなどそれぞれの要素はリンクしている事が重要です。

6.WBS(作業分解構成図)

プロジェクト全体を細かい作業に分解した図をWBSと呼びます。わかりやすく言えば、プロジェクトに必要な全てのタスクを最小単位の粒度まで分解したものです。

出典:WBSの目的とメリット:WBS とは OBPM Neo

プロジェクト初期にWBSを作成しておくと、スケジュールやコストの計算をより正確に行うことができます。

7.EVM(出来高管理)

プロジェクトマネジメントでは、しばしば「完了までに何時間かかるか?」という時間基準で考えることがあります。一方、EVMは「プロジェクトにかかる人件費や労力はいくらか?」の基準で考えるためのツールです。

EVMを取り入れるとプロジェクトのスケージュール進捗と合わせて、コスト進捗まで確認できます。「今までかかったコストはいくらか?」を把握しながらプロジェクトマネジメントにあたれるため、より正確な意思決定を下すのに便利です。

プロジェクトマネジメントツール【ソフトウェア】4選

続いてソフトウェアとしてのプロジェクトマネジメントツールをご紹介します。これは、プロジェクトマネジメントを推進するにあたり欠かせないソフトウェアのことです。

1.OBPM Neo

出典:リモートワークのプロジェクト管理に最適なクラウドサービス 「OBPM Neo」

株式会社システムインテグレータが提供する、統合型のプロジェクトマネジメントツールです。「SI Object Browser PM」として提供されていたツールが2021年3月に全面リニューアルされました。

OBPM Neoはプロジェクトマネジメントの原典と呼べる「PIMBOK(プロジェクトマネジメントの知識体系)」に準拠したツールです。リニューアルによりテレワークに対応し、海外拠点からの情報共有もリアルタイムに行えます。

2.Trello

出典:trello.com

オーストラリア・シドニーのアトラシン社が提供する、生産性向上に向けたプロジェクトマネジメントツールです。プロジェクト全体のタスクをカンバン方式で管理でき、直感的な操作で使いやすいのが特徴となります。

自動化機能のBUTLERを使えばプロジェクトマネジメントの単純作業(クリックなど)を削減して生産性向上を実現できます。

3.Redmine

出典:Redmine.Jp

Redmineはオープンソースソフトウェアであり、無償でダウンロード・使用できるプロジェクトマネジメントツールです。世界中で利用されているツールであり、技術があれば自由にカスタマイズできるため特別な要件にも対応できます。

月額制で手軽に導入できるMy Redmineも提供されているので、IT人材がいない企業でも活用可能です。

4.Backlog

出典:Backlog.com

株式会社ヌーラボが提供する、チームコラボレーションを中心としたプロジェクトマネジメントツールです。ガントチャートを作成できるので、プロジェクトの全体像を直感的に理解しながら進捗管理が行えます。

価格が安く、月額1万2,980円のプランからユーザー数無制限で利用できます。

プロジェクトマネジメントツールの選び方

フレームワークとしてのプロジェクトマネジメントツールを選ぶ際は、1つに絞る必要はありません。プロジェクトの特性や関係者の数に合わせて使うべきツールを選択してください。また、ベースとなるツールの他にチームごとに使いやすいツールを導入してみるのもよいでしょう。

ソフトウェアとしてのプロジェクトマネジメントツールは、可能ならば無料トライアルを実施することをお勧めします。実際に使ってみないことにはツールの有用性を判断できないので、ツールをピックアップし、使ってみてから判断しても遅くはありません。

ともあれ、正しいプロジェクトマネジメントツールを選ぶには「プロジェクトマネジメント自体の正しい知識」が必要です。これを機に、自社が行っているプロジェクトマネジメントは果たして効率的なものなのか?と自問自答し、必要に応じて正しい方法論を学びましょう。

この記事を読んだ方へお勧めの講座

【公開講座・オンラインライブ研修】1日で学ぶプロジェクトマネジメントの基礎│ラーニング・ツリー・インターナショナル (learningtree.co.jp)

【公開講座・オンラインライブ研修】プロジェクトマネジメント:成功のための技能│ラーニング・ツリー・インターナショナル (learningtree.co.jp)

一覧へ戻る