2022.03.09 【責任編集】ラーニング・ツリー“お客様に最大の価値を提供します” byプロジェクトマネージャ
お客様にとって“価値”を提供する事が私たちの仕事です。プロジェクトマネージャでこの言葉を自信をもって明言できる人がどのくらいいるのか不明ですが、街にはこのような広告の文字が良く並んでいますよね。
“価値”という言葉は最強の言葉で、魔法のような言葉ですが、実際に業務のなかでは耳の痛い言葉になっているかもしれません。
しかし、PMBOKの中にも、“価値”という言葉はよく出てきますし、最終的には”価値“を提供出来なければ、プロジェクトは失敗となってしまいます。
価値とは何か?
辞書的には“どのくらい役に立つものであるのかという度合い”になります。ビジネス的な視点からすると、金銭的に換算される側面もありますが、その人にとって意味のあるモノ、サービス、心が動く内容の程度となります。
PMBOKでは価値をどのように説明しているか?
PMBOKの第7版では、価値という言葉に関して下記のような説明があります。
- 価値とは、値打ち、重要性、または有用性であり、ステークホルダーごとに異なる方法で価値を認識する。
- 価値は、顧客視点での成果を含め、究極の成功指標でありプロジェクトの推進要素である。
ここで、一番プロジェクトマネージャにとって気になるのは“ステークホルダーによって価値は異なる”という点ではないでしょうか?
今後プロジェクトマネージャが価値の為にすべきこと(1)
PMBOKの第7版には“プロジェクトの究極の成功指標は”価値“である。と書かれており、更に”価値に焦点を当てる“というのが12原則の1つに組み込まれています。
これは、第6版からの大きな変更点になっています。
では、プロジェクトマネージャがQCDに合致した成果物をデリバリしたとして、社内スポンサーは価値があると認められる場合でも、納品先の顧客がシステムを上手く利用できなかった場合、価値は無かったものになってしまいます。
プロジェクトとして目標や要求事項をクリアするだけでは、プロジェクトの成功にはならないのです。
多数いるステークホルダーそれぞれにとっての価値を提供するという難しいバランスをとる事が必要になっています。
価値実現システムの紹介
しかし、やはり価値の提供がプロジェクト成功の指標だ、価値の最大化がプロジェクトマネージャの業務だと言われてても、これまでプロセスを重視し、QCDを守る事に注力してきた方法からすると直ぐには“価値”という言葉を指標にしろと言われても難しいと思われます。
そこでPMBOK第7版では“価値実現システム”というのを紹介し、どのように価値を実現するのかを紹介しています。
今後プロジェクトマネージャが価値の為にすべきこと(2)
プロジェクトマネージャが今後すべきことは、基本的にはプロジェクトに応じて従来のやり方を適合する柔軟性さえ持っていれば心配する事はないのかもしれません。
“価値”を見出すことは、これまでもプロジェクトのスコープ定義、ステークホルダーの要求の引き出しから要件定義、すべてにおいて関係者間でその意味や定義を具体的、且つ、誰もが理解できる言葉で分かり易く識別するという中で出来る部分でもあります。
ただ、今後“ステークホルダー”にとっての価値により注力し、より正確に見出す能力を高めつつ、価値を最大化する事がもとめられているのです。
お客様にとって“価値”を提供する事が私たちの仕事です。と言い続けられるプロジェクトマネージャは魔法使いではなく、実現できるものであると思います。
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